私を選んで使い続けてくださる社長にただただ感謝です!
「会場が暗くて社長の顔がはっきり見えなかったので、第一印象は『大きい人だなぁ』と思った程度です。社長はフィリピンなどアジアの賑やかなステージがお好きなんですが、私の歌は少々退屈で物足りなかったようです。でも、握手したときに『よろしくお願いします』と言ったら、社長が『はい』と答えてくれました。後で聞いたら、いったん『はい』と言った以上、ぼくは彼女を選びます、と社長はおっしゃったそうです。運と縁に本当に感謝しています」
当時の「夢グループ」の所属タレントは、狩人と三善英史。男性歌手ばかりだった事務所で、保科は3番目に所属した初の女性歌手となった。
2008年の「夢グループ」入り後、2016年から社長自らCMに出演するようになり、その相方として彼女が大抜擢された。
「CMを作るのに、横に女性がいた方がいい。保科有里は社員でギャラがいらないからやらせてみよう、と思ったらしいんですね。でも、その閃きが大当たりでした。
最初は緊張しましたが、最近では皆さんに顔を覚えていただきました。多くのかたに笑顔になっていただけるのはうれしいことです」
CMだけでなく、「夢コンサート」にも保科は欠かせない存在だ。大御所歌手が多数出演する大舞台で司会を務めている。
「橋幸夫さん、江木俊夫さん、あいざき進也さん……私が若い頃にレコードを聴いていた大スターのかたがたが大勢いて。最初は恐ろしかったんですけど、皆さん本当にいいかたたちでうれしいですよね。橋さんや江木さんは『有里は歌がうまいね』って言ってくださって。だから、歌だけはちゃんとしようと思っているんです」
当初抱いていた「マイナーとしてのコンプレックス」も乗り越えた。
「社長が『大丈夫。気にしないでやりなさい』と言ってくださるのが励みです。周りからダメだと言われると逆に燃えちゃうへそ曲がりの社長なのが逆に助かっています(笑い)」