Sさん(50代/男性)の息子は大学卒業時、名だたる大企業の内定をすべて断り、ベンチャー企業に就職。会社は急成長して現在は東証プライムで上場しており、息子は同社の執行役員に収まっている。数年前にはストックオプションで大金を手にしたが、Sさんは至って恬淡としている。
「息子の資産は私の100倍ぐらいあるでしょうが、私は自分の仕事にやりがいを感じているので、仕事を辞めて息子に生活を委ねる気はありません。息子には家族があるので、我々にお金を使うぐらいなら、奥さんや孫に使って欲しいというのが私と妻の願い。仕事を辞めてもやることもないですし、たまに美味しい食事をごちそうしてもらうぐらいで十分です」
文字通り“捕らぬ狸の……”を地で行くのはKさん(30代/女性)だ。
「姉の長男がとても優秀で、地元の国立大学に通っているんです。姉夫婦は共働きで、私はずっと独身なので、小さい頃から甥の面倒をずっと見てきて、遊園地に連れて行ったり、お小遣いをあげたり、すごく可愛がってきました。ですから、甥がいい会社に入ってたくさん給料をもらうようになったら面倒を見てくれないかなと、淡い期待を抱いています!」
親子の間の金銭授受に関する価値観は人それぞれ。ただし逆説的に言えば、子供が億万長者になっても仕事を続けるような両親がいるからこそ、子供は成功できるのかもしれない?