投資情報会社・フィスコが、株式市場の11月20日~11月24日の動きを振り返りつつ、11月27日~12月1日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で40.33円高(+0.1%)の33625.53円と小幅ながら4週連続で上昇した。週明け20日の東京市場は朝方の売り一巡後に指数インパクトの大きい値がさ株が買われ、取引時間中として6月19日のパブ崩壊後の戻り高値33772.89円を更新した。ただ、その後は短期的な目標達成感と1ドル=147円台半ばの円高を懸念して下げに転じる荒い値動きとなった。
21日は、米エヌビディアの決算や前回開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を控えてこう着感が強まり小幅続落、22日は中東情勢の地政学リスクが緩和されて東証プライムの値上がり銘柄数は1077銘柄となり、日経平均も3日ぶりに反発した。ただ、祝日を控えて後場はもみ合う展開となった。祝日明けの24日の日経平均は22日の米国株高と為替の円高一服を好感して続伸となった。20日の高値33853.46円に迫る場面もあったが週末事情などから後場は上げ幅を縮小した。
今週の日経平均は日米で市場に影響が大きい、経済・労働統計の発表スケジュールもなく、手掛かり材料難のなかもみあいの展開が予想される。
注目された21日発表の米半導体大手エヌビディアの8-10月期決算は、生成AI(人工知能)向け半導体需要が拡大し前年同月比で売上高が約3倍、純利益が約14倍という特大の変化率だったにも関わらず、市場における事前の期待が大きかったためか、サプライズとはならずに、発表後の時間外取引で株価は下落し、22日も軟調な展開となった。
やや肩透かしとなった22日の東京市場だが、それでも日経平均は小幅ながらも反発に転じた。その背景材料となっているのが、3月期決算企業の中間配当金の支払いが始まったことによる配当再投資への期待だ。その配当金総額は昨年の6兆5000億円規模から今年は7兆7000億円規模に膨らんでいるとの観測があり、配当再投資による需給改善期待が相場を下支えている。日経平均やTOPIXが3日ぶりの反発となった22日の東京市場の主要株価指標で、無配株が多い東証グロース250指数がマイナスだったことも興味深い。