若い人よりリスクを取れる
法人化して節税しようとすると、税務調査が入るのではないかと不安に思う人もいるでしょう。
しかし現実には、これは考えにくい。現金商売ではありませんから、業務委託元の会社から法人への支払いはガラス張り。そうなると経費の扱いで争うことになりますが、これは納税者側にも言い分があるので、税務署にとっても手間がかかりコスパが悪い。万全を期すなら、税理士に数万円払って税務書類に不備がないことを「書面添付」してもらえば、抜き打ちの税務調査ができないようになっています。
逆に言えば、国にとっては定年後再雇用で自動的に税金や社会保険料が天引きされるほうが楽に徴税できる。再雇用はそれこそ、税務署の思うつぼなのです。ここまで挙げた節税術はいずれも合法で、活用しない手はありません。
定年後の再雇用では、同じ仕事をしても収入が下がるのが当たり前ですが、これは一定年数の雇用を義務づけられているからです。マイクロ法人で1年契約にすれば、雇用の保障はなくなりますが、その分、会社との交渉力が強くなります。業績に応じて、青天井で成功報酬を受け取るような契約も可能でしょう。
歳を重ねると生活の安定を重視しがちですが、年金受給が始まる65歳以降は「雇用」による保障は必要ありません。いざという時は「年金」収入がセーフティネットになる。そう考えれば、収入が不安定な現役世代より、「年金というベーシックインカム」のあるシニア世代のほうが、大きなリスクを取り、いろんな挑戦ができるのです。