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【ペーパードライバーからの卒業】数十年振りに車を運転してみて思うこと「高齢親の免許返納を見据えて」「もはや知ってる車と違う」

ペーパードライバーからの卒業を決意したそれぞれの事情

ペーパードライバーからの卒業を決意したそれぞれの事情

 運転免許を持っていても運転をしないペーパードライバーから、“卒業”を望んでいる人たちがいる。三井住友海上火災保険が今年3月に発表した「ペーパードライバーに関する実態調査」によると、ペーパードライバーのうち7割が3年以上運転しておらず、運転自信度合いは100点満点中、平均は25.4点。一方、ペーパードライバーの50.8%、実に2人に1人が“ペーパードライバーを卒業したい”という気持ちを持っていることがわかったという。

 長年運転をしなくても生活に不自由がなく、さらに運転スキルに自信がないにもかかわらず、なぜペーパードライバーからの卒業を望むのか? 再びハンドルを握った元ペーパードライバーたちに、それぞれの事情を聞いた。

70代の父親が運転ミスをしたのがきっかけで

 IT企業勤務の40代男性・Aさん(都内在住)は、ペーパードライバー歴約20年。再び運転すること決意したのは同居する70代の父親の運転ミスからだった。

「実家には自家用車があり、運転するのは父親。主に母親と一緒に買い物に出かけるときに乗っていますが、父がアクセルとブレーキを踏み間違えて、ガードレールに衝突事故を起こしそうになったと母から報告を受けたんです。

 事故後、母は父に免許返納することを提案しましたが、父は『俺はまだまだ大丈夫』『車がないと不便』などと言い張って聞く耳を持ちませんでした。私も命にかかわることだからと説得しようとしたのですが、父は『考えとく』とだけ言って話が終わってしまいました」

 それまでは両親の買い物に付き合うこともなかったAさんだったが、この一件から父親の免許返納を見据え、「自分が運転しなくては」という思いを強くしたという。自動車教習所で、ペーパードライバー講習を受けることを決断した。

「駐車もできる気がしないし、高速道路も怖い。公道でいきなり運転感覚を取り戻すのは無理があると思ったので、まずは教習所に通いました」(Aさん)

 講習受講後は少しずつ実際に運転する機会を増やすとともに、父親への免許返納アピールも欠かさないという。

「高齢者が起こす車の事故のニュースを見るたびに、いつか父親がやるのではないかとヒヤヒヤしていましたし、私にとっても今のうちに乗っておかないと、いよいよ運転が怖くなりそうだと思ったということもあります。乗らないまま自分が高齢者になりかねないところでした」(Aさん)

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