夫婦で協力すれば「2000万円増」は可能
大きく進化した新NISAを使えば「老後資金2000万円問題」の不安も解消できるだろう。
例えば、夫婦でそれぞれ毎月5万円ずつ、合計10万円を20年間貯め続けると、2400万円になる。これを新NISAで運用するとどうなるか。前述の通り生涯投資額上限は1人1800万円だが、仮に運用によってそれ以上に増えても保有を続けられる。年利6%で運用できたとすると、元本2400万円に対し運用益は約2220万円と、倍近くにまで増やすことができるのだ。
その際、一般的な投資なら約444万円が所得税として引かれるが、新NISAならこれも“総取り”となる。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんが試算する。
「金融庁が作成した運用実績によると、20年間の運用成果は年率換算4~6%の出現頻度がもっとも高い。中長期の運用なら、少なくとも年率換算3%前後は見込めるのではないかと考えられます。
運用益の目標が2000万円の場合、夫婦で協力して毎月15万円、つまり1人7万5000円を新NISAで20年間積み立てるケースだと、年率換算4.15%であれば、運用益は約2015万円になる計算です。
ただしこれらの年率換算はあくまで過去のデータや仮定の話。必ず一定の利益が約束されるものではありません」
目標を「元本と運用益の合計で2000万円」にすれば、ハードルはより低くなる。
「年利3%とすると、月6万920円を20年間運用して元本は1462万1000円、運用益が537万9000円となり、合計でちょうど2000万円です。年利5%なら、月4万8658円を20年間で元本が1167万8000円、運用益が832万2000円で合計2000万円。
運用益だけで2000万円も夢ではありませんし、元手も合わせた総額2000万円を目指すなら、さほど難しい話ではないでしょう」(横山さん)
※女性セブン2023年12月14日号