物価高で家計防衛策としても注目されるふるさと納税。ついつい返礼品の善し悪しで選んでしまいがちだが、本来は自治体への“応援”を意味するもの。町の魅力を知ってこそ応援の気持ちが湧いてくるはず。今回は、7つの市や町の首長にイチ押しのふるさと納税返礼品について教えてもらった。第2回は、茨城県境町の橋本正裕町長が登場する。【全7回の第2回。第1回から読む】
制度がなくなっても自走できるように
「ふるさと納税をあてにしてはいけないと思っています。ふるさと納税がなくなっても特産品がなくなるわけではないですからね。雇用を失わないように、販路をしっかりと開拓しておくことを常に考えています」
ふるさと納税寄附額が6年連続関東1位の茨城県境町の橋本町長から語られる言葉にはブレがない。
「現在、うなぎのかば焼きや干し芋、エビの養殖加工の開発施設をつくっていますが、返礼品のためではなく、町の産業を活性化するためという意識で稼働させようと思っています」(橋本町長・以下同)
その言葉通り、主力返礼品のひとつである干し芋はふるさと納税の枠を超え人気商品になっている。
「干し芋カフェの展開もご好評いただいてまして。東京の北千住のマルイさんに出店したら大人気になり、全国のマルイでも出店してほしいという話になっています。ふるさと納税をきっかけに商品開発を始めましたが、町の産業として成立しています。こういう動きを大事にしていきたいです」
地場産業で町が活性化 ゼロからつくる町の特産品
【寄附額14000円】茨城県産 熟成紅はるかの干し芋1.5kg(300g×5袋入)
日本の干し芋生産量の約9割を占める茨城県。中でも境町の干し芋はしっとりとした食感で甘みが特徴の茨城県産『紅はるか』を100%使用し、まるでスイーツのようだと返礼品の中でも人気が高い。水に浸け、さつまいも表面の菌を遠ざける工程。全ての工程を手作業で行っている。
【寄附額12000円】国産うなぎ蒲焼2尾(計350g以上) たれ2袋・山椒2袋付き
木桶仕込みの醤油を使った着色料不使用のたれで、素材の味を十分に生かしながら、丹念に焼き上げられている。利根川に面した境町では、昔はたくさんのうなぎが獲れ名産品だったが、時代の変化とともに減少。“河岸の町”として発展した文化を再考し、うなぎをもう一度名産品にしようとうなぎの加工出荷施設を新たに建設中。
【寄附額14000円】お米4種食べくらべセット ※令和5年産
5kg×4袋・「コシヒカリ」+「ひとめぼれ」、「ゆめひたち」、「あさひの夢」、「あきたこまち」、「チヨニシキ」、「ふくまる」、「ミルキークイーン」、「にじのきらめき」の中からいずれか3種の計4種。茨城県産のブランド米の中から、一番人気の「コシヒカリ」と「おまかせ3種」を贅沢に食べくらべできるセット。
*所得・家族構成により、控除の上限額は変わります。寄附金額や返礼品の内容は変更となる場合があります。また、自治体や返礼品に寄って締め切りが異なる場合があります。
※女性セブン2023年12月14日号