投資情報会社・フィスコが、株式市場の11月27日~12月1日の動きを振り返りつつ、12月4日~12月8日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で194.02円安(-0.6%)の33431.51円と5週ぶりに反落した。
週初11月27日はイスラエルとハマスの休戦で中東情勢の警戒感が緩和し買い先行で始まったものの、先物に断続的な売りが出て日経平均は節目の33500円を割り込み3営業日ぶりの反落スタートとなった。28日は軟調な米国市場と為替の円高を受けて小幅続落、29日も1ドル146円台後半まで円高に振れた為替を嫌気して3日続落と軟調な展開が続いた。30日は売り先行後、ハイテク株中心に買い直されて日経平均は4日ぶり反発の高値引けとなった。前日のNYダウが500ドルを超える上げ幅で年初来高値更新となったことを受けて、12月1日の日経平均は堅調な始まりとなったものの、買い一巡後はこう着感が強い展開に終始し小幅安で大引けを迎えた。週を通じて買い手掛かり難が意識される展開となった。
米10月の個人消費支出(PCE)物価指数の伸び率が2021年3月以来最小となりインフレ鈍化が示される一方、季節調整済みのシカゴ景況指数(PMI)が55.8ポイントと市場予想の45.0ポイントを大幅に上回り米国経済のソフトランディング期待が高まった。米連邦準備理事会(FRB)高官のハト派的な発言も加わって、11月30日のNYダウは大幅高で年初来高値を更新した。ただ、こうした流れをストレートに好感出来ずに、12月1日の日経平均は上値の重さが意識される相場展開が続いた。買い上がり材料に決め手を欠く東京市場の状況が、この日の動きに反映されており、このこう着感を打破できるかが今週の焦点となってこよう。
先週の調整要因の一因となった為替の動向が引き続き不安定要因となるほか、現地1日に米大学の討議に参加するパウエルFRB議長の発言内容が週初の東京市場の動向を左右してくる。そして、今週8日には相場の分岐点となりやすいメジャーSQを控える。配当再投資の流れを受けて底堅さか強まってくれば、ヘッジに絡んだ買いを呼び込んで日経平均を押し上げる可能性は十分にある。その過程で日経平均のボラティリティも高まり、名実ともに12月相場入り本格化となったことで、年末高に向けた期待が改めて強まりやすいタイミングでもある。