リスクを取るか、長期でやるか
節税額をできる限り増やすためには、「2通りの方法が考えられます」と藤川氏。
「せっかく非課税になるのだから、大きな運用益を目指すこと。そのためには、『【1】ある程度のリスクを取って大きなリターンを狙う』『【2】リスクを抑えて安定したリターンを期待できる商品を長く運用する』のどちらかの戦略になるでしょう」(藤川氏、以下同)
【1】の戦略に基づき、たとえば年10%のリターンを目指す運用をした場合、確かに非課税となる運用益はかなり大きくなる。
積み立て投資で期待できる成果は金融庁の「資産運用シミュレーション」などで試算できるが、新NISAの「つみたて投資枠」の非課税枠をいっぱいに使って月10万円を積み立て、年10%の運用ができた場合、10年間で運用益は848万4498円(元金1200万円)となる。
この運用益の約20%分、およそ170万円もの節税になる計算だ。
「もちろん相場は上げ下げを繰り返しますし、高いリターンを目指すと最悪の場合、元本割れなどのリスクを伴います。ただし、同じ積立額、運用期間で年3%の運用をしても、約40万円の節税にしかなりません。非課税の恩恵を追い求めるために、どこまでリスクを取るかという判断になるでしょう(図参照)」
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