11月の米国の主要株価指数の月間騰落率は8%を超える大きな上昇を見せた。この流れは年末にかけても続くのか。重要な鍵を握るのは12月12日から開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)だ。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんによる、シリーズ「まるわかり市況分析」。森口さんが12月のFOMCで注目すべきポイントについて解説する。
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2023年も残り1ヶ月を切り、株式市場は動きを増しています。11月の米国の主要株価指数の月間騰落率は8%を超える驚異的な上昇を見せました。この動きの引き金となったのは、米国のインフレ率の鈍化です。この影響で、利上げの継続に関する見方が後退しました。
今後特に注目されるのが、12月12日から予定されている今年最後の連邦公開市場委員会(FOMC)です。この重要な会合には、市場の注目度が高まっています。今回は、このFOMCに焦点を当ててみましょう。
市場は利下げへの期待を織り込んでいる
市場がここまで高い上昇率を見せた背景には、複数の要因があります。一つは、市場が利上げの停止だけでなく、利下げへの期待を織り込んでいることにあります。
12月2日のロイターの記事によると、12月1日に行われたパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受けて、フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では、FRBが来年3月に利下げを開始し、年末までに政策金利を4%未満に引き下げるとの見方が強まっています。