森口亮「まるわかり市況分析」

注目集まる12月のFOMC 市場に織り込まれた「利下げ期待」は本物なのか、ドットチャートがポイントに

FOMCではドットチャートに注目

 FOMCでは四半期に一度、FOMCメンバーによる金利予想である「ドットチャート」が発表され、将来の政策金利(FF金利)の目安として、注目されています。

 前回9月のFOMC会合時のドットチャートでは、2024年末時点の予想中央値は5.125%となっていました。先ほどのロイターの記事によれば、2024年末時点で4%未満という予想がありましたが、比較対象となりえるのがこのドットチャートです。

 もしも12月のFOMCのドットチャートで4%よりも高い金利予想が出た場合、ネガティブサプライズにもなる可能性があります。ドットチャートの中央値には注目してみましょう。

本当に2024年3月の利下げはあるのか?

 さらに、先ほどの記事の中では、「FRBが来年3月に利下げを開始」を織り込んだとありました。その一方で、実際のパウエル議長の発言内容は「いつ金融緩和が行われるかの推測は時期尚早」と発言しています。

 パウエル議長本人が時期に対してはっきりとした言及をしていない中で、先んじて2024年3月からの利下げスタートを株式市場が織り込んでいたのだとするならば、「期待先行」といえます。そのため、短期的な調整やイベント通過後にネガティブな反応を見せることもあるでしょう。

FOMCの政策決定に影響を与えるCPIの発表

 12月8日には重要な雇用統計が発表されます。また、FOMCの初日である12月12日には、CPI(消費者物価指数)の発表が予定されています。

 市場はすでにインフレ鈍化と2024年3月利下げスタートへの期待を織り込み始めているとされています。今回の雇用統計とCPIのデータは、FOMCの政策決定にも影響を与える可能性が高いため、発表後には将来予想も再び変化する可能性があります。

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