インデックス投資の投資対象として人気なのが「全世界株式」で、新NISA(少額投資非課税制度)を使った投資でも注目を集めることだろう。全世界株式に投資する際はどのような選択肢があり、それぞれどのような違いがあるのか。新刊『【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』が話題のマネースクール代表・山口貴大氏が解説する。
全世界株式なら国すら選ぶ必要なし
米国のみならず、日本やヨーロッパ諸国、カナダ、オーストラリアといった先進国、中国やインド、ブラジルといった新興国など、全世界の株式市場に上場する企業に投資して、全世界株式に連動した運用を目指すのが全世界株式インデックスファンドです。
S&P500や全米株式のように米国一極集中ではなく、全世界の株式に幅広く投資できるのが特徴です。そのメリットは以下のような点になります。
・運用期間中に米国経済が失速・衰退しても、代わりにほかの国・地域の経済が台頭・隆盛すればその勢いに乗れる。
・どの国が強くなっても自動的にその国への投資比率が高くなるので、投資する国すら選ぶ必要がなく、ほったらかしで運用可能。また、時価総額が大きくて、投資家の評価が高い「今、最も素晴らしい企業」の組み入れ比率が高くなる時価総額加重型のため、銘柄を選ぶ必要もない(これはS&P500や全米株式に連動するインデックスファンドでも同じ)。
・世界経済は技術革新、人口増加、適度のインフレで、今後も順調に右肩上がりで成長・発展する可能性が高いので、長期的に安定したリターンが得られる可能性が高い。
全世界株式をカバーする株価指数
全世界株式の値動きを示す株価指数としては、
・米国のモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)が運営する「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI:アクウィ)」
・英国のFTSE(フッチー)インターナショナルが運営する「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」
の二つがあります。