高配当株ETFのメリット・デメリット
VYMのメリットは組み入れ銘柄が462銘柄に達していて分散効果が高いこと、毎年、分配金が増額されていて、安定した増配率に期待できること、さらに基準価額が3つのETFの中で最も上昇していることが挙げられます。
運用開始直後の分配金利回りは3%台と低くなります。
しかし、投資期間が長くなると、毎年、分配金が増額されていくので、自分が購入したときの投資元本に対する分配金利回り(ここでは「自分利回り」と呼びます)がどんどん向上していきます。これこそ、増配率が高いETFの魅力です。自分利回りの向上だけでなく、増配を好感した基準価額の値上がりによるキャピタルゲインも見込めます。
一方、SPYDのメリットは、とにかく投資開始時点の分配金利回りが5%台前後と高いこと。手っ取り早く、高額な分配金が欲しいという要求を満たしてくれます。SPYDの組み入れ銘柄は80銘柄で、分散効果は普通レベルといえるでしょう。ただ、組み入れ銘柄の多くは高配当ではあるものの成長性が乏しいため、増配は期待薄。分配金込みのトータルリターンはHDVよりわずかに高いものの、基準価額自体の上
昇はあまり見込めません。
HDVはVYMとSPYDの中間に位置するようなETFです。組み入れ銘柄は75銘柄で、分散効果が低い点が難点かもしれません。そこそこ安定した増配に期待でき、しかも投資開始時点の分配金利回りが通常はVYMより少し高い点が魅力といえます。
私個人としては、銘柄分散効果が高く、安定した増配にも期待できるVYMを一番おすすめしたいです。
少しリスクは高くなりますが、HDVも悪くはありません。投資開始時点でできるだけ高い分配金利回りを求めるならSPYDもあり、というのが結論です。
【プロフィール】
山口貴大(ライオン兄さん)/金融・起業のマネースクール『Financial Free College』代表。SNSでは「ライオン兄さん」名義で活動。ネット関連会社などにて、8年間のサラリーマン勤務をするが独立。金融・起業の書籍をむさぼり読みつつ、サービス業関連会社を興し、2018年に売却、その売却益を米国株を中心に運用し、経済的自由を獲得した。
※『【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』(KADOKAWA)より一部抜粋して再構成