家に不要品が溜まっていると、整理した後の工程にも支障が生じることがある。
「床をモノで埋め尽くしてしまうと湿気が溜まりやすくなり、5年くらいで床が腐ってダメになりがちです。相続して住んだり、人に貸そうとしても、改修費用がかさむことになります」(二見氏)
そのような事態を避けるために、実家の不要品や遺品の整理をどう進めればよいのか。
段ボール2~3箱までに
実家の片付けは、親が存命のうちに始めることが望ましい。ただ、子供にとってはゴミでも親にとっては大切なモノだったりと、食い違いが生じやすくて厄介だ。「まずは親とコミュニケーションを取ることが重要」と前出の二見氏は言う。
「親に『そんなモノは捨てて』などと非難するような言葉をかけないことです。言葉遣いや態度に注意しながら、全く使っていない部屋から片付けていきます。歳を重ねると2階を全く使わず物置にしてしまう人が多く、とりあえずそこから片付けていくだけでも後々の作業が格段にスムーズに進みます」
その際、預金通帳などは1か所に集めておく。年長の世代ほど複数の銀行口座を持っていることが多い。数百円しか入っていない口座が残っていることもあり、相続時の手間を考えれば、解約してもらっておくのが望ましい。
親が亡くなり遺品を整理する段階になったら、必要なモノと不要なモノを迷わずに分けていく。
「通帳といった貴重品を含め、子が引き取るモノは“段ボール2~3箱が限度”と考えましょう。そうした目安をあらかじめ決め、それを超える分は捨てるという意識を徹底することです」(前出・上田氏)