海外での日本食ブーム盛況のなか、日本米の魅力も広まりつつある。農林水産省のデータによると、2023年1月から9月のコメの輸出量は1万9795トンから2万6188トンと、前年比で32%増加。特にカナダは前年比373%と約4倍にものぼる人気ぶりだ。
そのカナダの大都市・バンクーバーで今年3月にオープンしたおにぎり専門店「Takenaka Onigiri Cafe」へ行ってみた。賑わいはどうなのか、値段は、味は? 現地レポートをお届けする。
価格帯も幅広いメニューラインナップ
現地の有名日本料理店で15年間修行したという日本人オーナーシェフと、米どころ・新潟で経験を積んだ副料理長は、元々は日本の「お弁当」をイベント会場などに出店するフードトラックやケータリングで提供するテイクアウト専門店を運営。当時からおにぎりを提供したいという構想があったという。
おにぎりのメニューは「梅干し」「和風ツナマヨ」(5ドル:約540円)、「明太高菜」(6ドル:約650円)といった定番から、「うなぎ&チーズ」「焼き鮭&イクラ」(9ドル:約970円)などの合わせ技まで、バラエティ豊富な全27種類。(1カナダドル=108円で計算。12月4日時点、以下同)
具材に合わせて価格帯も幅広い。最も安いのが「塩むすび」の3ドル(約330円)で、最も高い「生ウニ」は14ドル(約1500円)だ。
1500円のおにぎりと言われると腰が引けるが、カナダはウニの産地でもある。2022年の「農林水産物輸出入統計」によると、輸入量ランキングでロシア、チリに続いて3位と、日本でもカナダ産ウニは馴染みが深い。