「お嫁さんにしたほうがいいタイプ」を助言したら…
ヤヨイさんの不安は、息子が趣味に浪費をして実は貯金が全然ないかもしれないというもの。長年実家住まいなのもお金が無いからではないかと思い始めたのだ。そこからヤヨイさんのおせっかいが始まってしまう。
「息子には早く結婚してほしい、彼女を作って自立してほしい、と思うようになりました。貯金額を聞き出そうとしたり、食事の時にマッチングアプリを勧めたり、お嫁さんにしたほうがいい女性のタイプもアドバイスしたのですが、『迷惑だからやめてほしい』と言われてしまい、それ以降、夕食は自室で食べるようになってしまったんです。優しい息子だったのに、ちょっとした一言でガラリと変わってしまうと思いませんでした……」
このままでは息子との仲が悪くなってしまうのではないか、そして婚期を逃すのではないかと不安でいっぱいのヤヨイさん。息子の負担にならない形で婚活をサポートできないか考え中だそうだ。
仕事、夢、趣味など恋愛以外にも人生を楽しむ方法が増えてきていることも、恋愛や結婚に固執しない20代男性が増えてきている一つの理由ではないだろうか。親としてはそんな子供を見守りつつ、人生の先輩として、息子が自ら「結婚もいいな」「いつかしたいな」と思えるような家庭の姿を見せられるように頑張ってほしい。
【プロフィール】
吉田みく(よしだ・みく)/埼玉県生まれ。大学では貧困や福祉などの社会問題を学び、現在はフリーライターとして人間関係に独自の視点で切り込んでいる。マネーポストWEBにてコラム「誰にだって言い分があります」を連載中。同連載をまとめた著書『誰にだって言い分があります』(小学館新書)が発売中。