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「失われた30年は終わった」2024年の日経平均株価は4万円超えか、新NISAスタートも株価上昇を後押し

馬渕:いよいよスタートした「新NISA(少額投資非課税制度)」の影響も見逃せません。これまで投資をしなかった方が“参戦”しようとしていて、大きな資金が株式市場に流入するわけです。その影響はすごく大きい。

 新NISAで初めて投資するような方は、まず日経平均など株価指数に連動する「インデックス投資」をしてくるでしょう。新NISAの成長投資枠では個別株も買えますから、誰もが知っている大企業にも投資するはずです。大型株は日経平均の構成銘柄が多いですから、ひいては日経平均の上昇にもつながる。

武者:その通りですね。岸田政権は最初、アベノミクスを否定するようなことを言っていましたが、ふたを開けたら「資産所得倍増計画」まで掲げて、それが新NISAにつながっている。米国と日本の家計の資産配分を比較すると、米国は株や投資信託が7割強、現預金が2割ほど。対照的に日本は現預金が7割強で株や投信が2割弱ですよ。

馬渕:合理的に考えれば「貯蓄から投資へ」の流れですよね。

武者:企業に対しても、「コーポレートガバナンス改革」の名のもとに、PBR(株価純資産倍率)1倍割れの是正を求めるプレッシャーをかけた。これはかねてより「ハゲタカファンド」が訴えてきたことです。そうした環境変化もあって、“投資の神様”ことウォーレン・バフェットら海外投資家も日本株への関心を強めているわけです。

馬渕:大手ネット証券の累計ではNISA口座が1000万を超えたといわれるように、海外投資家に加え、個人投資家も続々と入ってきています。

第3回に続く第1回から読む

【プロフィール】
武者陵司(むしゃ・りょうじ)/1949年生まれ、長野県出身。(株)武者リサーチ代表、投資ストラテジスト。1973年大和証券入社後、ドイツ証券副会長などを歴任し、2009年より現職。

馬渕磨理子(まぶち・まりこ)/滋賀県出身。京大院卒。日本金融経済研究所代表理事、経済アナリスト。ニュース番組『FNN Live News α』(フジテレビ系)にコメンテーターとしてレギュラー出演中。

※週刊ポスト2024年1月12・19日号

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