リスク分散のために分けてみたが「失くす回数も増えた」
大事なものをすべて持ち歩くリスクは誰もが承知しているはずだが、さりとて、その日その日に必要なものを毎日入れ替える作業は面倒くさすぎる。Hさん(50代/男性)はリスクを分散させるため、断固「分ける派」だ。
「私はとにかく物を失くすことが多く、傘や鍵を失くした回数は数知れず。財布やスマホも何回も失くしています。まだスマホが無かった時代、真冬の深夜に家に帰ったら、鍵入りの財布を失くしていたことがあり、寒さに凍えたまま一晩過ごしたことがありました。それ以来、最悪の事態を避けるため、現金とカード類は分け、落とした時のダメージを少しでも減らすようにしています」
Sさん(40代/女性)も、うっかり者のHさんと同じ理由から「分ける派」。もっとも、リスク分散という効果には少々疑問を感じているという。
「以前、財布を失くして以来、財布とカード類を分けるようにしています。ただ、失くす確率が2倍になっただけのような気も……。大事な物を2つに分ければ、失くした時のダメージは減りますが、私の場合、失くす回数はきっちり2倍になっている印象です。こうなるともう、“1回で大ダメージ”か、“ダメージは少ないがしょっちゅう”の2択かなと思います」
財布を分けることについて、リスク回避以外の理由を挙げる人もいる。Nさん(30代/男性)が財布を分ける理由はシンプルだ。
「財布を1つにしてスーツのポケットに入れると、お尻でも胸でもパンパンになる。人と会う仕事なので、スーツのシルエットが崩れるのは嫌だなと思い、小銭だけは別にしています」