投資情報会社・フィスコが1月8日~1月12日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。米国のインフレ指標が注目され、早期利下げ観測を弱める内容となれば金利高・ドル高の見通し。また、日本銀行の大規模緩和継続で円買いは縮小し、結果的にドルを押し上げる展開となりそうだ。昨年12月12-13日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、政策金利は今回の引き締めサイクルでピークに近づいたとの認識で一致し、同時に2024年の利下げの方向性が示された。
半面、政策金利の据え置きの可能性も示唆しており、想定ほどハト派的でなかったことから、ドルの買い戻しが入りやすい。今週発表の米国のインフレ指標は高止まりが予想され、ドルは売りづらい。現時点で消費者物価指数指数(CPI)は強弱まちまち、生産者物価指数(PPI)は伸びの鈍化が一服するとみられ、米金利高・ドル高の要因になりやすい。一方、日銀は今月開催の金融政策決定会合で、現行の大規模緩和政策を堅持する見通し。日銀の緩和政策継続を見込んだ円売りで、ドル円は日米金利差で上昇基調を維持することが想定される。
【米・12月消費者物価コア指数(CPI)】(11日発表予定)
11日発表の米12月消費者物コア指数(コアCPI)は前年比+3.8%と予想されている。市場予想を上回り、引き締め余地が意識された場合はドル買い要因に。
【米・12月生産者物価指数(PPI)】(12日発表予定)
12日発表の米12月生産者物価コア指数(コアPPI)は前年比+2.0%の見通し。インフレ鈍化が一服すれば、米金利高・ドル高の相場展開となる可能性がある。