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【債券投資入門】金利下落時の価格上昇を狙える「高格付けの長期債」投資術 外貨建てMMFは「一時的な資金プール」に活用する方法も

 もちろん、発行体がデフォルトしてしまえば利金は貰えず、元本も返ってこないリスクもあります。しかし、格付けが高い債券を購入すれば、デフォルトになるリスクは比較的低めです。

 ちなみに、私の考えとしては、2023年9月現在の相場環境では、米ドル建ての高格付けの長期債に投資妙味があると思っています。

 その理由は、現在は米国金利が高い状況のため米ドル建て債券の利回りが高く、将来的に金利が低下していけば値上がり益を狙える可能性があるからです。米ドル建ての債券を買って、金利が下がるのを待つ絶好の機会というわけです。

 今後1~2年の間に米国の長期金利はそれなりに低下する可能性が高いと思っており、だからこそ、今は値上がり益を狙える良い局面だと考えています。

 極端な話、今の債券相場は償還という安全パラシュートをつけた状態で値上がり益を狙える状況です。永久劣後債でない限り、債券は償還日が設定されています。償還日になれば債券価格は100に戻るため、仮に金利が下がらなくても償還まで持ち切れば良いだけです。

 さすがに5年10年と持っていれば、今より金利が低局面(単価の含み益が出る局面)は来ると思いますが、仮に償還まで持ち切ることになっても、今の高い利回りでロックできるので、利益を出せる可能性は高いです。

デュレーション(債券投資の平均回収期間)と価格変動の関係

デュレーション(債券投資の平均回収期間)と価格変動の関係

 もちろん、米ドル建て債券なので為替リスクがありますが、高い格付けの長期債を選べば金利が低下した際に大きなキャピタルゲインを狙えるので、差し引きでプラスになる確率は高いです。

 まとめると、債券投資において短期間で大きな利益を狙う方法は、債券価格が低くなっている金利の高い時にボラティリティが大きくなりやすい高格付けの長期債を購入し、金利が下がるのを待つ戦略です。

外貨建てMMFの上手な活用法

 米国の市場金利が高い現在では、債券投資の派生形として、外貨建てMMFに投資するのも一つの方法です。

 外貨建てMMFとは「Money Market Fund」の略で、投資信託の一種です。格付けの高い短期の国債や地方債、社債などの短期金融資産を中心に運用します。外貨建てと名前がついている通り、米ドルやトルコリラなどの外貨で運用します。

 外貨建てMMFで運用する債券は高い格付けで、残存期間が数か月以内などの短期債を中心に運用するため、リスクが低いという特徴があります。

 債券には残存期間が長いほど価格のボラティリティが大きくなるという特性があります。つまり、残存期間が短い短期債を中心に運用する外貨建てMMFは、保有している最中に市場金利が変動しても債券価格のボラティリティが小さいため、価格変動リスクも低くなるので、安全性が非常に高い投資信託と言われています。

 もちろん、外貨建てMMFは投資信託なので、元本割れのリスクはあります。安全性が非常に高いとされていますが、元本割れのリスクがある点は注意しましょう。

 また、外貨で運用するため、為替変動リスクがあるという点も留意しておきましょう。外貨MMFの購入時よりも円安に動いたら利益になりますが、円高に動いた場合は利益が目減りし、場合によっては損失となる可能性もあります。

 外貨建ての金融商品を運用する場合は、常に為替変動リスクがある点にも気をつけましょう。

 外貨建てMMFの特徴としては、市場金利との相関性が強い点です。つまり、金利が高い時は利回りが高く、金利が低い時は利回りが低くなります。特に、現在は米国の金利が上がっているため、米ドル建てのMMFの利回りは上昇しています。

 例えば、2023年8月21日時点だと、利回りが5%弱の米ドル建てのMMFもあります。次の図はSBI証券で取り扱っている外貨建てMMFですが、ゴールドマン・サックス米ドル建てMMFは4.850%の利回りとなっています。

 外貨建てMMFはよく外貨預金と比較されますが、米ドル建てMMFと外貨預金を比較しても、米ドル建てMMFの方が金利は高くなっています。
 

外貨建てMMFの利回りの例

外貨建てMMFの利回りの例

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