投資情報会社・フィスコが、株式市場の1月9日~1月12日の動きを振り返りつつ、1月15日~1月19日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で2199.69円高(+6.59%)の35577.11円と大幅高となった。連休明け9日の東京市場は、米国株市場で、ナスダック総合指数やフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が強い動きを見せたことから、買い優勢で取引を開始。日経平均は取引時間中の昨年来高値(33853.46円)を突破した。その後、半導体株だけではなく、TOPIXコア30銘柄など時価総額が大きい銘柄など幅広い銘柄に買いが入ったことから、日経平均は連日でバブル後の高値を更新。為替市場でも、円安ドル高傾向が続いたことで、輸出関連銘柄も買われた。
12日に1月限月のオプションの取引最終日を控えていたことで特別清算指数(SQ値)に絡んだ思惑なども影響し、日経平均、TOPIXともに一段高の展開となった。12日は好決算を材料にファーストリテ<9983>が急伸したことから、日経平均は35800円台まで上昇。さすがに短期的な過熱感などが意識されて、大引けは上げ幅を縮小したが、プライム市場の時価総額が大きい銘柄を中心とした強い地合いは継続した。なお、週末に算出されたSQ値は日経平均、TOPIXともに、一度も12日の取引時間中に付けることができなかったため「幻のSQ値」となった。
昨年、日経平均のけん引役だった東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>など半導体株はしっかりだが、相対的には伸び悩んでいる。また、年末にかけて上場来高値を更新するなど強い動きが目立っていた海運株も足元一服。先週は、ソニーグループ<6758>、HOYA<7741>、SMC<6273>、キーエンス<6861>などTOPIXコア30銘柄の上げが目立った。一方、個人投資家の少額投資非課税制度(NISA)資金が流入しやすいと見られているトヨタ自<7203>や三菱UFJ<8306>などは週末に反落した。
時価総額が大きく投資単位が100万円を軽く超える銘柄が買われたことから、足元の日本株を押し上げている投資主体は外国人投資家と推測する。
今週のポイントは、時価総額が大きい銘柄への資金流入が続くかどうかである。週末、バブル後の高値圏の36000円手前で長い上影(上ヒゲ)を残したことから、テクニカル的には買い一服となりやすい状況にある。また、「幻のSQ値」が示現したことも投資家心理にはマイナスとなろう。