2023年は日米ともに株価が上昇した1年だったが、2024年の投資環境はどのようなものになるだろうか。個人投資家、経済アナリストの古賀真人氏が米国、日本の経済を分析したうえで、その展開を予測し、投資戦略を紹介する。
2024年の米国市場の見通し
米国の景気は極めて堅調で強かった。失業率が3%台というのは歴史的な低い数字であり、失業保険申請件数の少なさ、平均賃金の高止まりと、経済の頭打ちは最後まで見られることがなかった。
これまでFRB(連邦準備制度理事会)は行き過ぎたインフレを防ぐことを最重要課題として対策を講じてきた。そして、今後もその原理原則は変わらないと思われる。過熱感を帯びた経済指標が出た際には、要人のタカ派発言でそれを抑え(金利上昇や据え置きを示唆)、じわじわと経済をソフトランディング(軟着陸)させていくと考えられる。
今後は利上げをしない見込みが強いとはいえ、急激な利下げを行うわけではないだろう。しだいに日米の金利差が縮まっていくことで、緩やかなドル安円高傾向が想定される。2023年はドル高という逆風下でも堅調な業績を出してきた米国企業。これからドル安局面を迎えるとすれば、米国マーケットは上昇が見込める状況だと考えられる。
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