一方、東京証券取引所が主導するコーポレートガバナンス改革の一環として、週明けの15日に「資本コストや株価を意識した経営の実現」に対応した企業の一覧表を東証が開示する。この開示は毎月更新されることから、「バブル後の高値を更新する日本株を持たざるリスク」を意識した海外投資家の投資マネー流入継続は期待されるところだ。
1月19日には日本の12月消費者物価指数(CPI)の発表を控えている。市場予想は前年比2.7%上昇と11月の同2.8%上昇より鈍化する見通しだ。生鮮食品除くコアの市場予想も同2.3%上昇と11月の同2.5%上昇を下回っている。既に1月末に開催される日本銀行の金融政策決定会合(日銀会合)での「金融政策の正常化」への思惑は後退していることから、市場予想通りの鈍化が確認された場合、為替市場および株式市場への影響は限定的だろう。一方、3月の春闘の結果後に、4月の日銀会合で「金融政策の正常化」に踏み出すとの思惑は根強く残っている。
仮に19日の12月CPIが市場予想を上回る強い数字になった際、「金融政策の正常化」思惑が高まることで、為替市場では円高が進行し、足元の株高のはしごが外される可能性はあろう。もっとも、東証によるコーポレートガバナンス改革を期待した外国人投資家の買いが根底にあると考えていることから、TOPIXコア30銘柄や日経平均などの強いトレンドが転換するほど売り込まれる想定はしていない。ただ、足元の日本株買いの背景には、「金融政策の正常化」の後ろ倒しの思惑が存在することから週末の12月CPIの結果は注目したいところだ。
今週にかけては、国内は、16日に12月国内企業物価指数、18日に11月機械受注、11月鉱工業生産(確報値)、19日に12月消費者物価指数などが予定されている。海外では、15日に欧・11月鉱工業生産、16日に英・12月雇用統計、米・1月ニューヨーク連銀製造業景気指数、17日に中・第4四半期実質GDP、12月小売売上高、12月鉱工業生産、英・12月消費者物価指数、米・12月小売売上高、12月鉱工業生産、18日に米・1月フィラデルフィア連銀製造業景況指数などが予定されている。