先輩の合格体験記は、実践した勉強法がたっぷり記されており、参考にする人も多いだろう。一方で「どんな勉強法で落ちたのか」を知ることも大切だ。自分に合う勉強法を見つけるのは案外難しいが、少なくとも“地雷”を踏まないようにはしたいもの。経験者が語る、受験に“失敗した”勉強法とは――。【受験不合格体験記・前後編の後編。前編から読む】
「同じレベル」と思っていた兄とは違った
Hさん(30代/女性)は、優秀な兄を持ったばかりに「受験」というものを見誤った。
「私には1歳違いの兄がいて、成績もずっと似たようなもの。高校も同じでしたが、兄は高2まで遊び呆けていて、高3の1年間だけマジメに勉強したら地元の国立大学に受かったので、私も“1年間だけマジメにやれば大丈夫なんだ”と思い込んでいました。
しかし高3の夏になっても秋になっても私の成績はさっぱり上がらず、“あぁ、兄って頭が良かったんだ”と気付いた時は後の祭り。どう考えてもスタートが遅すぎました」
「得意科目に注力」の落とし穴
Kさん(40代/男性)は得意科目ばかり強化したことが、「落とし穴だった」という。
「苦手科目をイヤイヤ勉強するより、得意科目を伸ばしたほうがいいという説を信じていたんです。
私はとにかく歴史が大好きで、世界史は大の得意科目。1回でいいから全国1位を取ってやろうと、世界史ばかり勉強していました。その甲斐あって、世界史だけはどんな模試でも上位でしたが、得点は頭打ちになってしまう。不得意科目は自分のベースとなる点数が低いので、ちょっと勉強すれば10点も20点も稼げる伸びしろがあるのに、もう伸びようがない世界史にいつまでも多大な時間を使うようでは、受かるはずはありませんよね……」