SDGsをうたう企業が食品ロスを出す矛盾
IT企業勤務の30代男性・Cさんは、関西出身。恵方巻に馴染みはあるが、このシーズンになると、学生時代のバイト先での「大量廃棄」を思い出すと苦笑いだ。
「関西から、大学で東京に出てきました。その学生時代にコンビニでバイトしていた頃は“ノルマ”があって、バイトでも積極的に買うように促されていたんですよね。関東で恵方巻というのも不思議だったし、結局大量に廃棄される恵方巻を見て悲しくなったのがもはやトラウマ。今は買う気にも食べる気にもなれません」
SDGs(持続可能な開発目標)を意識する風潮が強くなった今、Cさんは「恵方巻も見直す時期ではないか」と主張する。
「SDGsをうたう企業が、恵方巻で食品ロスを出している矛盾がある気がします。かといって、廃棄がもったいないからと節分当日の夜に半額になっている恵方巻の姿を見るのも悲しい気持ちになってしまいます。縁起物が半額ってどうなんでしょうか……。
企業側は商機かもしれませんが、もう数量限定で売り切り御免みたいなスタイルでもいいのでは」(Cさん)
恵方巻を楽しみにしている人も多いだろうが、その陰で“恵方巻離れ”する人たちもいる。一気に全国区になった恵方巻の風習への戸惑いの声も聞こえてきた。(了)