1月に始まった「新NISA(少額投資非課税制度)」には、スタートとともに多くの人々が資金を投じ、市場は活況を呈している。始めるタイミングを逸したと思っている人もいるかもしれないが、悲観する必要はない。巷で「安全銘柄」と推奨される投信・銘柄ではなく、真に資産増が期待できる投資先は今からでも選べる。
新NISAでは、2つの金融商品に投資先としての人気が集中している。
1月9日には、“オルカン”の通称で知られる投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」への1日の資金流入額が1000億円を突破した。2023年12月の1か月間の流入額とほぼ同額を、たった1日で集めたのだ。
続くのが、同じシリーズの「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」。オルカンが米国株を中心に全世界の株式に分散投資するのに対し、こちらは米国の主要500社に分散投資する。
いずれも好調な米国株が牽引して人気を二分している恰好だが、ファイナンシャルプランナーの藤川太氏(家計の見直し相談センター代表)はこう指摘する。
「新NISAの最大のメリットは、本来は投資の運用益や配当益にかかる約20%の税金が非課税になること。非課税保有期間も無期限になり、そのメリットを最大限に活かすには、運用益を最大化することです。その前提に立てば、より“攻めの姿勢”でオルカンやS&P500以上の大きなリターンが見込める他の投資先に視野を広げてもいいのではないか」
より「ハイリスク・ハイリターン」を求める場合、まず選択肢となるのは人気商品を上回る運用実績を持つ商品に投資することだ。
オルカンのリターン(年率)は過去1年で約30%、5年で約17%。S&P500は1年で約37%、5年で約21%だ。
「米国の世界的なIT企業100社で構成される『NASDAQ100』に連動するファンドは、1年で約65%、5年で約28%と高いリターンとなっています。なかでも運用期間中の管理費用が低い〈購入・換金手数料なし〉ニッセイNASDAQ100インデックスファンドは注目に値します。昨年3月の設定で運用実績はまだ6か月分しかないですが、中身は他のNASDAQ100ファンドと同様で高いリターンが期待できる」(藤川氏)
投資対象を絞っているぶん下落リスクが高くなる面もあるが、仮に月10万円を積み立て、過去5年と同じリターン28%で運用できた場合、12年後に資産1億円を超える計算となる。リターン17%のオルカンなら1億円達成まで17年かかる。