日経平均株価やTOPIXが高値を更新する中で、中小型株の株価は冴えない状況が続いている。とはいえ、直近の決算で好業績を挙げた企業には注目しておきたいところだ。個人投資家、経済アナリストの古賀真人氏が、直近の業績で大きな成長を遂げている企業3社に注目、その投資ポイントについて解説する。
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年始から日経平均、TOPIXが高値を更新している。その一方で小型株が主体となるグロース250指数はコロナ禍の2020年2月の安値水準で推移している。
中小零細企業を中心とした倒産件数も増加している。東京商工リサーチが1月8日発表した2023年11月の企業倒産件数(負債額1000万円以上)は807件と前年同月比で38%増加しており、この増加は20か月連続となる。
しかし、低迷の続く中小型株でも好業績を出す企業は存在する。今回は、直近で好決算や上方修正発表を行った3銘柄に注目してみよう。
ココナラ(4176)
個人の知識・スキル・経験を売買できるスキルマーケット「ココナラ」を運営している同社。副業ブームともいえる昨今、注目を集めている企業だ。知名度も上がってきているが、時価総額は100億円もない小型銘柄と言える。
1月15日に2024年8月期の第1四半期決算を発表し、対前年比で売上高28.4%増、利益は前年赤字からの黒字転換という回復を見せた。これまで赤字決算が続いてきた中で、これまでとは明らかに違う変化や成長を感じさせるものであった。株価は決算発表翌日の16日には13%高と急騰した。
祖業としてのココナラマーケットプレイスにおける会員登録数は順調に増加しており、購入数、販売数ともに増加している。また、今後、海外市場展開を見据えた取り組みを行っていることにも期待が持てる。ユーザーと弁護士をマッチングするメディア事業「ココナラ法律相談」においても大幅な増収増益成長を遂げている。
さらにエージェント事業にも注目しておきたい。3500人ものITエンジニアを抱えるポートエンジニアリング株式会社を子会社化しており、大企業へのIT人材の業務委託事業を推進していくというもの。昨今のIT人材需要を考えれば、この事業の発展にも期待できる。
株価は2021年の上場からずっと右肩下がりで推移してきた。これまでの赤字続きの業績が投資家に嫌気されていたものと思われる。
しかし、黒字転換を果たした今は、株価が底打ちする可能性もあり、今後、業績が右肩上がりで伸びていくようであれば、株価のV字回復も期待できるだろう。