ビジネス

【飲食店を悩ませる「外国人客からのチップ」問題】個別にもらうと面倒事が増えるので共通貯金箱で管理する店も 「それよりトイレを綺麗に使って!」の本音

チップをどう扱うかで頭を悩ませている飲食店も増えている(イメージ)

チップをどう扱うかで頭を悩ませている飲食店も増えている(イメージ)

 新型コロナウイルスの5類移行から約9か月、インバウンドが順調に復活している。日本政府観光局によると、2023年12月の訪日外客数は、2019年同月比108.2%となる273万4000人と、新型コロナ拡大後の単月過去最多、かつ12月として過去最高を記録した。

 多くの外国人観光客が日本を訪れる中、飲食店では「チップ」を渡されるスタッフもいるようだ。日本の習慣にない「チップ」について、飲食店ではどのように対応しているのか。

カフェ店長「チップなんていらないからトイレを綺麗に使って」

 都内でカフェを運営する店長の30代男性・Aさんは、「外国人からチップをもらうことは珍しくなった」という。

「時々アルバイトの子にチップをくれるお客さんはいますね。うちの店では、基本的には辞退することにしていますが、どうしてもという場合は断るのも野暮なので受け取ります。ただ、レジの都合で売上にはできない。お店で共通のボックスを作って、チップはそこに入れています。ある程度貯まれば従業員の親睦会費に充てようかと思っています」

 Aさんは「チップなんていらないから、トイレを綺麗に使って」と嘆く。

「一度アルバイトの女の子にチップをくれた外国人男性は、トイレで紙を撒き散らし、洗面台のまわりは水浸しにして帰っていきました。店長としては、チップなんていらないから、トイレを綺麗に使ってよと心底思いました……。

 チップは感謝の気持ちといえばそれまでですが、その時ばかりは、スタッフと『チップ代=もはやこちらの清掃代ってことだよね?』と話していたものです」(Aさん)

次のページ:外国人ばかり丁寧に接客するようになって…

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。