雅楽を始めて「姿勢がいいね」と褒められるように
東京に住む主婦・くにえさん(50才)は、1年前から雅楽を始めたという。
「以前から神社で見る巫女舞に憧れがあって、どうやって習えるのかとインターネットで探していたら、雅楽にたどり着きました」(くにえさん・以下同)
雅楽は飛鳥から平安時代初めにかけて中国や朝鮮半島から伝わり、日本独自の様式に整えられた音楽や舞のこと。その演奏は宮廷や神社などで古くから親しまれてきたものだ。
「雅楽って代々伝えられる世襲性のイメージがありましたが、私が習っている日本雅樂會は、民間の団体で初心者や女性にも広く門戸を開いています。実際、私が入門したのも『雅楽の知識がなくても大歓迎』とあったからです。これなら私でも続けられそうと思い、始めました」
日本雅樂會理事の大田美穂子さんは、「舞と音楽の演奏があり、両方を学ぶ人、片方だけを学ぶ人がいる」と言う。
「雅楽の演奏には笙、篳篥、笛の管楽器と太鼓などの打楽器、琵琶、筝などの絃楽器を用います。また、舞は中国などから渡ってきた唐楽の伴奏で舞う左舞と、朝鮮半島から渡ってきた高麗楽の伴奏で舞う右舞があります。くにえさんのように習い事として嗜んでいるかたは楽器か舞のどちらかを選ばれますね」(大田さん)
ゆったりとした動きだが、その所作、とりわけ姿勢のよさが求められるのだという。
「立ち姿や姿勢が美しくないとダメだと言われて、最初は、ひたすら正しい立ち方や腰の落とし方を練習しました。スクワットをするような動きがあるので、太ももの周りはかなり鍛えられます。
1年くらい続けると心なしか姿勢も安定してきて、背筋がピンと伸びているような気がします。周りからも『姿勢がいいね』と褒められることが多くなりましたね」(くにえさん)
取材・文/廉屋友美乃 イラスト/亀川秀樹
※女性セブン2024年2月8日号