詐欺被害に遭ったという報道を見るたびに、「どうしてそんなものに引っ掛かるんだ?」と思う人もいるかもしれない。だが、実際に引っ掛かってしまうと「私は大丈夫だという自信があった」と言いつつも、「でも、よく考えたら怪しかった」と振り返りがちだ。先日、知人が7390円の詐欺被害に遭ったネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、その詳細をレポートする。【前後編の前編】
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私は派手な柄のリュックが好きなのですが、近年、店に行くと黒や灰色や濃い緑など一色の地味なリュックが多く並んでおり、派手なものは渋谷であってもとんと見つからない。それが今のトレンドなのでしょうが、自分の好みはトレンドに合わせて決まるものでもない。
今使っているレインボー柄リュックは使用開始から6年ほど経過し、ジッパーがかみ合わなくなりました。一旦閉めてもどこかで隙間が開き、そこから一気に全部が開いてしまうようになったのです。パソコンが入っている時など、落ちてしまうと大変なことになる。
さすがに寿命だろうと思い、新しいものをネットで物色したところ、パックマン(ゲーム)のカラフルなモンスターが全面を覆いつくす派手なリュックを発見。しかし、私がたまたまクレジットカードや銀行カードを紛失するハプニングがあって、しばらくネット通販で商品が購入できない状態に。
そんな話をしていた折に、仲の良い知人・Aさんが代わりに購入してくれるとのこと。有難く好意を受け取って購入を頼んだところ、「買えた!」との連絡が来ました。しかし、その後、「私が買ったリュックの販売サイト、詐欺サイトだった……」と報告を受けたのです。
「あの日は一日中外で仕事をしていて疲れていたから……。そんな時にやらなければ防げたのに……」と残念がっています。被害総額は7390円で、ネットバンキングで振り込みをしたそうです。他の被害としては、住所と電話番号と氏名が相手に伝わったことです。