“丸の内の大家”といわれる三菱地所は、「コロナ禍で落ち込んだ商業施設やホテルの収益が本格回復、2024年3月期の純利益は3期連続の最高益更新を見込む。
三菱電機は2024年3月期に6年ぶりの最高益更新の見込みとなり、三菱製鋼はハイテク製品向け精密ばねの販売拡大で、2024年3月期の営業利益が44.2%増を予想するなど好決算のオンパレードとなっている。
好調な業績を背景に株主還元を強化する企業も多く、高配当銘柄も相次ぐ。配当利回りが4%近い三菱製鋼やAGCをはじめ、ENEOSや三菱マテリアル、三菱ケミカルは3%台半ば、キリンホールディングスや東京海上ホールディングスなども3%以上だ。
昨今、三菱はグループ全体で株主への増配を掲げており、MUFGは「配当金の安定的・持続的な増加を基本方針とし、配当性向40%への累進的な引き上げを目指す」とする株主還元方針を提示。前年度以上の配当を続ける「累進配当」を業界に先駆けて導入した三菱商事は「中期経営戦略2024」においても累進配当の継続を宣言し、昨年11月には8期連続の増配を発表して株式市場で話題を呼んだ。
次のページ:挑戦者であること