投資情報会社・フィスコが1月29日~2月2日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は伸び悩みか。米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策決定で3月利下げ開始の市場観測は後退し、日米金利差縮小を想定したドル売り・円買いは縮小した。しかしながら、心理的な節目である1ドル=150円が意識されつつあり、この影響でリスク選好的なドル買い・円売りは抑制される可能性がある。今月発表された米経済指標はNY連銀製造業景況感指数やフィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想を下回った。半面、国内総生産(GDP)は想定ほど減速せず、ミシガン大学景況感指数は堅調な内容となった。強弱まちまちのデータを受け、1月30-31日開催のFOMCでは政策金利据え置きの公算。一時3月利下げ観測が台頭したが、連邦準備制度理事会(FRB)当局者は早期実施には否定的であり、利下げ開始は5月以降となる可能性が高い。このことは金利高・ドル高要因となりそうだ。
一方、日本銀行は1月22-23日開催の金融政策決定会合で大規模緩和の継続を決定。日銀植田総裁は、マイナス金利を解除しても緩和的な政策の堅持を示唆している。日米金利差縮小の思惑が後退することにより、ドル円は底堅い動きを保つ可能性がある。しかしながら、ドル円は心理的節目の150円が視野に入っており、150円手前でドル売り・円買い介入が実施される可能性は低いものの、日本政府による口先介入でリスク選好的な円売りは縮小し、ドル高は抑制される展開もあり得る。
なお、米企業決算では一部ハイテク関連のほか、指数への寄与度が高い銘柄も注目される。好業績を受けた株高ならユーロ、英ポンドなどに対するリスクオンの円売りが強まる可能性は残されている。
【FOMC】(1月30-31日開催)
FRBは1月30-31日、FOMCを開催し、政策金利5.25-5.50%を据え置く公算。早い時期の利下げ開始の市場予想に否定的な見解が提示された場合、米金利高・ドル高要因に。
【米・1月雇用統計】(2月2日発表予定)
2月2日発表の米1月雇用統計は失業率が3.8%、非農業部門雇用者数は前月比+16.8万人、平均時給は前年比+4.1%が予想される。市場予想を下回った場合、早期利下げ要因になりやすい。