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「飲めなきゃ、男じゃねえ!」と社長が18才バイトに飲酒を無理強いしても罪に問われないのはなぜ? 「20歳未満の飲酒禁止に関する法律」を弁護士が解説

 まず、飲酒の度が過ぎれば、事故のもと。職場の延長のような宴会で飲酒を無理強いされた大学生が、急性アルコール中毒を起こしたり、帰宅途中で事故に遭えば、宴会を主催して飲酒を強く勧めたご主人は、安全配慮義務違反で損害賠償責任を負いかねません。

 そうした事故が起きなくても、経営者という優越的地位を背景に、業務上の必要がない仕事の後の宴会で、嫌がる若者に飲酒を無理強いし、「飲まなきゃ、男ではない」などと人格非難をして精神的につらい思いをさせ、その結果、職場で働く意欲を失わせるようなことになれば、典型的なパワハラです。

 事業者は『労働施策総合推進法』により、職場でのパワハラを防止するため、研修の実施などで従業員の啓発に努めるよう様々な責務を負っています。なのに率先すべき経営者が、20歳未満か否かを問わず、嫌がる従業員に飲酒を無理強いするのは、絶対にいけません。

【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。

※週刊ポスト2024年2月9・16日号

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