【安さを売りにする時代の終焉】変化するファストフードのトレンド　「カフェ化」「ボリューム重視」など個性的なスタイルが増加

“ボリューム重視”でわが道を行く店も

　ほかのチェーン店と明らかに差別化を図った成功例が、バーガーキングだ。

「健康志向の風潮に背を向け（笑い）、ボリュームで勝負。看板メニューは通常の約1.4倍の大きさを誇る『ワッパー』（とてつもなく大きいという意味）シリーズです」（柳生さん）

　昨年末には総重量約546g、総カロリー約1370kcal、価格2090円という衝撃的な商品で人々の度肝を抜いた。この3年で店舗数は倍増し、現在は214店。いまもっとも勢いのあるバーガーチェーンといえよう。

「好評をいただく理由はボリュームだけでなく、直火焼き100％のビーフパティを使った本格的なおいしさにあると考えています」

　と、バーガーキング担当者。さらに、

「他店とのいちばんの違いは、ビーフパティを鉄板ではなく独自のブロイラーで焼いていること。直火で焼くことで余分な脂を落として必要な肉汁を閉じ込め、ジューシーな味わいに仕上げています」

　とこだわりを語る。

「ファストフード店といえば、どこに行っても同じ味という安心感が特徴でしたが、『探してでも行きたい』と思わせる個性的な店が出てきたというのが興味深いですね」（柳生さん）

※女性セブン2024年2月15日号