「早い、安い、メニューが画一的」というイメージが強かったファストフード。しかし、昨今は食材にこだわったプレミアムなハンバーガーなど、ファストフードの概念を変えるメニューが続々登場している。こうした変化の背景には何があるのだろう?
「かつて、サンキューセット(390円。マクドナルド)やサンパチトリオ(380円。ロッテリア)といった、低価格に重点を置いた時期もありましたが、安さを売りにする時代は終わっています」
と、グルメコメンテーターの柳生九兵衞さん。
「もちろん、原材料費や輸送費の高騰という事情もありますが、それ以上に『ファストフードといえどもおいしいものを食べたい』という消費者のニーズが高まってきているのだと思います」(柳生さん)
圧倒的な店舗数を誇るマクドナルドでは、毎月のように期間限定メニューが登場する。1月下旬から、復活の希望が多かった『たまごダブル』など4種を販売中だ。広報担当者によると、「お客さまの意見やその時期の食のトレンドを取り入れながら独自の限定メニューを開発しています。さらに、SNSで商品の魅力を伝えたり、お客さま参加型のプロモーションを実施するなどして、マクドナルドならではの楽しみを発信しています」という。「秋は月見バーガー、冬はグラコロなど、毎年その時期になると食べたくなる」(52才・主婦)など“期間限定ファン”は多く、取り組みは功を奏している。
ミスタードーナツも冬季限定の『ポン・デ・ショコラ』シリーズなど季節の限定商品を展開しているが、中でも高級感あふれる「misdo meets GODIVA プレミアムショコラコレクション」がいま大きな話題だ。
「商品開発のテーマはお客さまへ『最高においしい商品・価値』を提供すること。そのために、最高水準の素材と技術を持つブランドと共同開発しています」と、広報担当者は語る。