再雇用なら現役時代から慣れている仕事ができる
定年後の働き方には大きく分けて、それまでと同じ職場で継続して働く「再雇用」と、新たな職場で働く「再就職」の2つがある。
社会保険労務士の北山茂治さんは、収入や社会保障といった安定を優先したいなら、再雇用で働くことをすすめる。
「中には“再雇用されるとそれまでの部下が上司になるのが嫌だ”と言う人もいますが、安定を求めるなら、そうしたプライドは捨てて、再雇用を選ぶ方がいいでしょう」
「どうせまだ働かなきゃいけないなら、何か新しいことをしよう!」と、再就職を選ぶのは早計だということ。
現役時代から慣れている仕事ができるのも、再雇用のメリットだ。
「豊富な経験やスキル、それまでの人間関係を生かせるため、働きやすいと感じる人が多いのです。ただし、現役時代にトラブルや著しい成績不良があった場合は、その事実を知られたまま働くことになる懸念点はあるでしょう」(中島さん)
また、いくら慣れているといっても、立ち仕事などの体力が求められる内容であれば、年齢を重ねるほどに苦しくなってくるのは当然のこと。その場合は、潔く別の職種への再就職をめざそう。
より長い目で考えると、再雇用にはこんなデメリットもある。社会保険労務士の井戸美枝さんが言う。
「再雇用は多くが65才までの雇用延長となるので、それよりも長く働きたいなら、再就職を考える方がいいでしょう。また職種によって違いはありますが、現役時代と同じ仕事内容だとしても、給与の金額が下がることは避けられません」