「正社員」か「非正規雇用」かも大きなポイント
一方、再就職はやはり“ゼロからのスタート”のため条件面では再雇用より見劣りする場合はあるものの、スキルや経験によっては、再雇用と同じか、より条件のいい職場が見つかる場合もある。
「看護師や自動車整備士、建設関連の現場監督、調理師、介護士といった専門職・技術職だった場合は資格と経験が重宝され、再就職しやすいでしょう。資格がなくても、清掃や接客の仕事は就業しやすい。
また意外にも再就職したシニアが活躍しているのがIT関連です。銀行などのシステムは若い人の知らない古いコンピューター言語が使われていることも多く、シニアが重宝されるケースが少なくありません」(中島さん・以下同)
「正社員」になるべきか「非正規雇用」になるべきかも大きなポイントだ。統計上、シニアの雇用形態は非正規の方が圧倒的に多く、その割合は全体の76.4%にもなる。正社員として働くシニアは、4人に1人にも満たないのだ。
シニアの場合は、非正規で採用されたからといって必ずしも正社員に収入で見劣りするわけではない。
「若い人とは異なり、シニアには長年の経験や知識がある場合が多いため、採用された時点で能力はある程度認められています。シニアの非正規雇用は“職場に合うかどうか”を確認するための“取り急ぎの試用期間”としての意味合いが強いことも多く、人によっては早ければ採用からわずか1か月で正社員になるケースも少なくありません。
また、同じ仕事内容の場合、非正規雇用のシニアの方が給与が高くなっている事例もあります」
※女性セブン2024年2月15日号