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「柏崎刈羽原発」にも能登半島地震の余波 新潟県民の再稼働反対で永久停止となる流れは必然か

能登半島地震が志賀原発と柏崎刈羽原発に与えた影響とは

能登半島地震が志賀原発と柏崎刈羽原発に与えた影響とは

 新潟県の花角英世知事は、県民の間で議論を進めた上で自身の判断を示し、最終的に県民の意思を確認するため「信を問う」としているが、そうなれば県民の同意を得ることはできないだろう。能登半島地震の甚大な被害を目の当たりにして、多くの新潟県民が「やはり原発を再稼働するのは危険だ」「柏崎刈羽も福島第一の二の舞になりかねない」と思ったはずだからである。

 政府と電力会社が柏崎刈羽原発や志賀原発などを再稼働したいのであれば、私が以前から提案しているように、原子力関係の人材と原発の運営管理を個々の電力会社ではなく全国で1社に集約し、そこにすべてを任せる体制にすべきである。そうして原発の安全性を担保しなければ、万一の過酷事故や重大事故に対応することはできないだろう。

 一昨年、岸田政権が原発再稼働に舵を切った際、私は本連載(『週刊ポスト』2022年10月28日号)で「『総括』や『反省』なき政府による原発再稼働には反対する」と書いたが、今回の志賀原発の被災状況とその対応を見ても、政府・規制委・電力会社は福島第一原発事故の教訓に何も学んでいないと言わざるを得ない。そうである以上、柏崎刈羽原発が新潟県民の再稼働反対によって廃炉に追い込まれるのも、必然の結果だと思うのである。

【プロフィール】
大前研一(おおまえ・けんいち)/1943年生まれ。マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長、本社ディレクター等を経て、1994年退社。ビジネス・ブレークスルー(BBT)を創業し、現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長などを務める。最新刊『日本の論点2024~2025』(プレジデント社)など著書多数。

※週刊ポスト2024年2月23日号

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