【5】現地で証券会社に口座開設
ハードルが最も高くなりますが、現地で証券口座を開設し運用を行うことも可能でしょう。帰国後も運用を続けることができる各国に対応した証券会社もあります。外国語が堪能かつ、税制へのきちんとした理解が必要ですが、選択肢の一つとなります。
【6】貯蓄型保険の活用
すでに加入している生命保険は、保険料さえ支払い継続できれば、海外赴任中も契約を続けることが可能です。海外赴任を希望している人などまだ決まっていない場合は、貯蓄型保険の活用も一手でしょう。長期間使う予定のない資産があるのであれば、一時払いで加入するのも良いですね。ただし一定期間での解約は元本割れしますので、資金計画を立てて無理ない範囲で契約することが大切です。
グローバル人材の育成を推進している我が国ですが、海外赴任となった場合に資産運用を続ける手段がぐんと少なくなる現状がおわかりいただけたかと思います。新NISA制度をきっかけに投資を始めた人が続けられないのはとても残念ですよね。せめて各金融機関には、税制改正に対応し最長5年はNISA口座を継続保有できるようにして欲しいと切に願います。
【プロフィール】
鈴木さや子(すずき・さやこ)/株式会社ライフヴェーラ代表。CFP認定者、1級FP技能士、キャリアコンサルタント(国家資格)。保険等商品を一切販売しないFPとして活動。専門は教育費・保険・マネー&キャリア教育、確定拠出年金。企業講演の他、小・中学校や自治体等の講演やワークショップなど、保護者や親子向けイベントも行う。大学生・高校生の母。著書に『資産形成の超正解100』(朝日新聞出版)がある。