あなたを最も成長させる「株の選び方」
このように言っても、実際に行動に移す人は多くないだろう。よい会社をどう探すのかわからないし、意外に難しい経済用語が立ちはだかるからだ。もし、あなたが中高生以上なら、これから私が提案する方法を試してほしい。
ひとつ、あなたが最も関心のある分野で、最も成功している会社を探す。その業界で時価総額が最も大きい企業を選べばよい。その分野のトップであることは非常に重要だ。トップの企業はほとんどつぶれることはなく、市場が危機に陥っても「大石死せず」と言われるように、むしろトップがその業界を一手に牛耳ることもあるし、価格決定権ももっている。業界トップの企業を選んで、自分の経済状況に合わせて、毎月1株以上買っていくようにしよう。とにかく買うことが大事だ。
株を買わずに勉強するのと、株を保有した状態で勉強するのとは完全に違う。まず、事業を見る目が変わる。1週間でも株をもてば、その企業の関連ニュースや業界の情報が目に入り、経済用語が自然と理解できるようになる。こうして1年間、コツコツと株を買い続けよう。株価が下がってもかまわない。下がれば安く買えるわけだし、上がれば上がったでいい。
心配すべきは、早く上がりすぎることだ。繰り返すが、いちばん早くお金持ちになる方法は、ゆっくりお金持ちになることだ。
結論を言うと、早くお金持ちになろうと考えている人は、まわりの人がお金持ちになるのを手伝っているだけだ。こうして5年、10年とコツコツ株を買い集めるうちに、あなたもだんだん「事業家」になっていく。
その会社の株主総会に出席し、社長の事業報告を聞き、その会社のロゴ入りタオルの1本ももらってくる。自分の会社だから、その会社の製品を使い、知人にも紹介する。製品がひとつ売れるたびに、このうち数百万分の1は自分のものだという気持ちで会社を見てみよう。あなたは社主なのだから。
株主とは、会社のオーナー(社主)だ。このように事業家の心をもてば、業界全体を見る目が肥え、産業を理解できるようになる。国の経済や国家間の利害衝突、金融市場全体にまで関心は広がる。また、これは政治とも関係するので、いずれあなたの哲学と事業の利害を代弁する政党に投票することで、社会参加が可能になる。
だから、株式投資を始めるのは早ければ早いほどいい。
もし10代、20代からこうして産業を見る目を育てながら、サラリーマンとして働く一方で投資を続けていれば、40歳くらいで資本所得が勤労所得を越える日が来るはずだ。同僚たちはそのころから下り坂になるだろうが、あなたは自由を得たお金持ちになっているはずだ。
私が若かったころに、こんな話をしてくれる人がいたら、どれほどよかっただろうか。だから、あなたにも今日からただちに、よい会社の株を1株でも買ってもらいたい。
【プロフィール】
キム・スンホ/スノーフォックスグループ会長。韓国人として初めて、アメリカでグローバル外食企業を成功させた実業家。創業したスノーフォックス社は、世界11カ国に3900の店舗と1万人の従業員を抱えるグローバル企業。本書は、インターネット上で動画が1100万回以上再生された「伝説のお金の授業」の書籍化で、韓国で100万部に到達。
※『お金は君を見ている 最高峰のお金持ちが語る75の小さな秘密』(サンマーク出版)より一部抜粋して再構成