投資情報会社・フィスコが2月12日~2月16日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は下げ渋りか。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は今後の利下げについて大筋で見解は一致するものの、濃淡分かれる。パウエルFRB議長は3月の開始に否定的なスタンスで、5月以降がメーンシナリオ。そうしたなか2月13日に発表される1月米消費者物価コア指数(コアCPI)は前年比+3.7%と前回を下回る見通し。また、15日発表の1月米小売売上高は前月比+0.1%と、前回の+0.6%を下回る見通し。これらの経済指標が市場予想と一致した場合、5月利下げの思惑が強まりそうだ。
一方、日本銀行は3月以降にマイナス金利を解除する公算も、その後の政策方針が注目される。日銀植田総裁をはじめ当局者は政策金利の引き上げに慎重で、緩和的な政策運営が長期間続く可能性があるため、日米金利差の早期縮小観測は後退しており、目先的にドル円は底堅い動きを保つ可能性がある。
【米・1月コアCPI】(13日発表予定)
13日発表の1月コアCPIは前年比+3.7%と鈍化が見込まれており、市場予想と一致した場合、インフレ緩和を意識したドル売りが強まる可能性がある。
【米・1月小売売上高】(15日発表予定)
15日発表の1月小売売上高は前月比+0.1%と、12月の同+0.6%から悪化が予想されている。市場予想を下回った場合、個人消費の弱さが意識され、金融緩和を正当化しよう。