老後の資産形成を考える際、まず候補に上がるのが、新NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)。とはいえ、その唯一にして最大のウイークポイントは「リスクがゼロではないこと」だ。それを理由に運用に及び腰になっているなら、生命保険を使う選択肢もあるだろう。
定期保険や収入保障保険、医療保険といった掛け捨て型のものではなく、返戻金のある貯蓄型の商品であれば、資産寿命を延ばすために活用することもできるのだ。ファイナンシャルプランナーの松浦建二さんが言う。
「保険商品の中で資産寿命を延ばすのにもっとも適しているのは、個人年金保険の終身受け取り。保険料の払い込みを終えると、その後公的年金と同じように死ぬまで保険金を受け取ることができるうえ、保険料には個人年金保険料控除が受けられます。保険料控除も加味して考えれば、人によっては年間10%利回り相当にもなる場合もあります」(松浦さん・以下同)
「子供が独立していれば死亡保障は不要」という指摘もあるが、終身保険に加入しているなら、払込期間満了まで払い込みを続けた方が、将来受け取れる保険金(解約返戻金)を減らさずに済む。
「ただし毎月の保険料が負担なら、保障額を下げる代わりに払い込みを途中でやめることもできます」
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