にんにくが全面に押し出されているメニューではあるが、記者Aはさらなるパンチ力を求めた。
「にんにくの香りはありますが、ホワイトソースにしっかりと溶け込んでいて、にんにく特有のパンチの強さは控えめ。それだけ一体感があるということではありますが、もうちょっとガツンとした強い味を楽しみたいという感じもあります。
私はテーブルにあったバーベキューソースを少しかけて食べてみたのですが、大正解。バーベキューソースの角が立った酸味、にんにくの香りが、見事なアクセントとなって、シュクメルリ鍋の可能性を広げてくれました。松屋のさまざまなソースをつかって、味変を楽しむのもいいかもしれません」
在日ジョージア大使も絶賛。SNSでバズる“にんにく”キーワード
この『シュクメルリ鍋定食』は、在日ジョージア大使がX(旧ツイッター)で、たびたび言及していることも話題になっている。人気の背景には、SNSでの拡散も影響しているようだ。外食産業に詳しいフリーライターの小浦大生氏はこう話す。
「そもそもファストフードは利用者が多く、SNSに投稿されやすいものですが、『シュクメルリ鍋定食』については“にんにく”というキーワードがカギでしょう。
にんにくが好きだという人は多い一方で、においが気になるので、なかなかガッツリ食べられないものです。そういったハードルがある食材をふんだんに使っているため、ただ“おいしい”だけでは終わらない感想をSNSに投稿しやすい。
ジョージア大使が絶賛しているというのも重要ですね。シュクメルリという日本では馴染みの薄い料理ですが、本国の人も認めているとなれば、『本当においしいものなのだろうから、一度食べてみよう』と認識しやすい。今後、ファストフードで外国の郷土料理が登場するならば、その国の人に認めてもらうことがヒットのカギとなるでしょう」
登場以来愛され続ける『シュクメルリ鍋定食』。味だけでなく、ネット上での宣伝という面でも、学びが多いものだと言えそうだ。(了)