iPhoneには「シリ」、Androidには「Googleアシスタント」
秋川の命を救った「シリ」とは何なのか。家電ライターのコヤマタカヒロさんが説明する。
「『シリ』とは、スマホやタブレットに搭載されている、音声に反応してさまざまな命令を遂行してくれる『音声アシスタント機能』の名称です。iPhoneには『シリ』が、Androidのスマホには『グーグルアシスタント』が搭載されています。また、Amazonが販売するスピーカー『Echo』に搭載されている『アレクサ』も同じく音声アシスタントの一種です。
それぞれ『ヘイ、シリ』『OK、グーグル』『アレクサ』と声をかけてから、『今日の天気を教えて』や『7時に起こして』などと伝えると、応じてくれます」
秋山が救急車を呼んだように電話をかけることも可能だが、これについては注意が必要だという。
「iPadのようなタブレット端末は電話回線につながっていない場合もあり、あらかじめ設定しておかないと電話をかけられないケースがあります。タブレットから電話をかけたい場合は、ご家族や業者のかたに頼んで確認しておくといいでしょう」(コヤマさん)
ダウンロードしておけば人命救助の役に立つアプリも
声をかけるだけで、人の手を借りずに、とっさに命を守る判断をしてくれるとなれば、使わない手はない。
実はスマホには、音声アシスタント機能以外にも、緊急通報や健康管理などに役立つアプリがたくさんある。コヤマさんが解説する。
「『いびきラボ』という睡眠時に使用するアプリです。寝ている間の呼吸音を録音して睡眠時無呼吸症候群の可能性を示唆したり、寝床の振動を解析することによって、睡眠の質を測ってくれます。
iPhoneには必ず搭載されている『メディカルID』という機能も便利です。Androidの場合はダウンロードすれば使用できます。緊急連絡先や血液型、体重、過去の病歴、服薬中の薬などを登録できるので、たとえ不慮の事故や災害で意識不明状態にあっても、第三者がこの情報を見ることができます」
ダウンロードさえしておけば、いざというときに人命救助の役に立つアプリもある。
「誰かが体調を崩し、救急車を呼ぶか判断に困ったときに使いたいのが『全国版救急受診アプリ「Q助」』。発症したかたの年代や症状を選択すると、119番通報するべきかどうか判断してくれます」(コヤマさん)