運用益や配当金が「無期限」で非課税になるメリットがある新NISA。投資額上限が年120万円までの「つみたて投資枠」と、年額240万円までの「成長投資枠」を使って、生涯で最大1800万円までの投資元本と運用益がすべて非課税になる。そのメリットを活かすには、ファンド(投資信託)選びが重要だ。
ファンド選びの参考になる指標として、どれぐらいお金が預けられているかの総額を示す「純資産総額」のほかに、「資産流入額」にも注目したい。資産流入額とは、一定期間内にそのファンドに「入ってきたお金」と「出て行ったお金」を差し引いた金額を示す。家計再生コンサルタントの横山光昭さんが語る。
「“いま、どれくらい買われているか”を見る一時的な指標なので、直近のトレンドを見るにはもってこいです。ただし一過性の人気であることも少なくないので、資産流入額が急激に動いたとしても、それがずっと続くわけではないことは留意しておきましょう」(横山さん・以下同)
資産流入額ランキングの上位には、日経平均株価や米S&P500といった株価指数(インデックス)への連動をめざす「インデックスファンド」が多く並ぶ。
「インデックスファンドは、わかりやすいのが大きなメリットです。1つ買うだけで、そのインデックスに含まれる株式すべてを買って分散投資する効果が得られ、かつ運用コストも安い。リスクを抑えながら増やしていきたい初心者向きだといえます」
一方、運用会社が独自に投資先を選んで運用するのが「アクティブファンド」だ。一般的にインデックスファンドと比較するとハイリスク・ハイリターンで、運用コストも高いため、中級者以上に向いている。ファイナンシャルプランナーの松岡賢治さんが言う。
「アクティブ型は、インデックス型よりも高いコスト(信託報酬)を含めても、総合的なリターンが10~20%と高く期待できるものがあります。インデックス型とのコストの差は1~2%ほどなので、より成績のいいものを見極めて買うことができるなら、コストにこだわりすぎずにチャレンジしてもいいでしょう」