藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

【確定申告】株や投資信託での「損益通算」や「繰越控除」で節税 「源泉徴収あり」の特定口座で税金が戻ってくるケースとは

損失が出たときも確定申告すべし

 年間で損失となった場合は、確定申告することで最大3年間繰り越せます。たとえば、昨年の投資でトータル100万円の損失だった場合、今年に繰り越して、今年60万円の利益が出れば、昨年の損失を引いて課税利益はゼロになります。さらに40万円の繰越が残るので、来年、再来年まで40万円分の利益は通算できます。損失が出た場合は、その損失が、翌年以降に貢献してくれるので、忘れずに確定申告しましょう。

 ここで大切なのは、損失を繰り越すためには、まったく売買しなかった年や、利益が出なかった場合も、毎年確定申告をしなくてはならない、ということです。もししなかった場合は、繰越が無効になり、せっかくの節税のチャンスを逃してしまいます。

 確定申告をするためには、証券会社から送付された年間取引明細書が必要です。最近は、郵送ではなくダウンロードで入手できる場合もあります。そのほか、源泉徴収票(給与所得者の場合)、個人番号および本人確認書類(マイナンバーカードなど)が必要ですので、確定申告の前に揃えておきましょう。

 昨年は、ドルや金が上昇しましたので、それらで利益を得た人も多いことでしょう。FXや金(現物)で得た利益は、証券会社などで源泉徴収をしてくれないので、自分で確定申告をする必要があります。利益が出ているのに申告をしていないと税務署から「お尋ね」の書面が届く可能性があります。くれぐれも面倒臭いと放っておかないように注意してください。

 FXや金の税金については、株や投資信託とは違った扱いになります。それについてはまた別の機会に解説します。

今回のまとめ

・株や投資信託で損が出た場合は確定申告で節税できる
・損失の繰越をする場合は、毎年申告が必要

【プロフィール】
藤川里絵(ふじかわ・りえ)/個人投資家・株式投資講師・CFPファイナンシャルプランナー。2010年より株式投資をはじめ、主に四季報を使った投資方法で、5年で自己資金を10倍に増やす。普通の人が趣味として楽しめる株式投資を広めるため活動し、DMMオンラインサロン「藤川里絵の楽しい投資生活」を主宰。本稿の関連動画がYouTubeにて公開中。

個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さん

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