縮小する日本においては、拡大はもとより現状を維持することさえ難しい。いつまでも飛行機が当たり前のように飛び続けるわけではないのだ。
他方、海外都市を含めて遠く離れた場所と場所を短時間でつなぐ航空路線というのは、人口が減り行く日本が成長を続けていく上で不可欠でもある。少なくなる航空人材をどこに投入するのが日本全体として最適解となるのか。
政府は足元の政策として人材育成の拡大を図ると同時に、人口減少社会における将来的な航空路線の在り方の検討を進める必要がある。
(了。前編から読む)
【プロフィール】
河合雅司(かわい・まさし)/1963年、名古屋市生まれの作家・ジャーナリスト。人口減少対策総合研究所理事長、高知大学客員教授、大正大学客員教授、産経新聞社客員論説委員のほか、厚生労働省や人事院など政府の有識者会議委員も務める。中央大学卒業。主な著書に、ベストセラー『未来の年表』シリーズ(講談社現代新書)のほか、『日本の少子化 百年の迷走』(新潮選書)などがある。