投資をしていると確定申告をしなくてはいけないケースがある。それはどんな場合なのか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第82回は、「FX(外国為替証拠金取引)や金の確定申告」について。
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前回は、株式や投資信託で損失が出ているときは、確定申告をして損益通算すると節税できることについて説明しました。今回は、FXや金などの確定申告について解説します。
FXは確定申告が必要
株や投資信託は、特定口座の源泉徴収ありを選択していれば、証券会社が代わりに納税してくれます。うっかり脱税!なんて心配はありませんが、FX口座では、源泉徴収がないため、利益が出た場合は、確定申告をしなくてはいけません。
申告が必要な条件は、20万円超の利益が出ている場合です。ただし、FXを含め、雑所得と呼ばれる所得の合計が20万円を超えていれば、確定申告が必要になります。
合計する雑所得は、
・FXや先物・オプション、CFD(差金決済取引)、暗号資産(仮想通貨)の売却益
・副業での収入(YouTubeやメルカリなどの売上)
・生命保険の年金受取分
などがあります。
ちなみにYouTubeやインスタグラムなど、SNSでの発信が本業という人は、事業所得になりますので、雑所得にはなりません。
雑所得は必要経費が認められますので、たとえばFXを勉強するための書籍代や、セミナー代などは経費計上できます。あわせて申告することで節税できますのでこちらはお忘れなく。
また、同じ雑所得内であれば損益通算することができます。たとえばFXで50万円の利益が出ていて、先物で30万円の損失があれば、損益通算で20万円の利益となります。