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【親子で取り組む相続】生前整理のステップ 財産目録の準備、相続人の確認ができたら生前会議、そして遺言状をまとめる

親の生前に知っておくべき相続に備える仕組み(その1)

親の生前に知っておくべき相続に備える仕組み(その1)

無効にならない遺言書を

 ただし、自筆の遺言書には注意点もあるのだという。

「本文のすべて・署名・日付は必ず自筆にして、押印しないと無効になります。特に日付は『◯年◯月◯日』と記すのが必須です。よくあるミスが『◯月吉日』といった書き方ですが、これはNG。また、本文の内容が曖昧で無効となることもあります」(曽根氏)

 曽根氏が相談を受けたケースでは、「財産を子供らが共有で保有し、活用してほしい」と書かれた遺言が無効になったという。「子供ら」が誰にあたるかがはっきりしないうえ、「共有」とあるだけでは配分の仕方を定めていないという理由により認められず、相続人たちがゼロから話し合わなくてはならなくなった。

 書式に不備のない遺言書をまとめる際には、財産を一覧にした財産目録も用意する必要がある。財産目録には口座ごとの預金残高や不動産の評価額、株や債券などの有価証券の種類やその時点での価額、借金がある場合はその額も記入する。そのうえで相続人が何人いるかを確認して、どう分けるかを考えていくのだ。

 民法で相続の権利があると定められているのが法定相続人。配偶者は常に相続人となり、その他は子(直系卑属)が第1順位、子がいないなら第2順位は親(直系尊属)、親が亡くなっていれば第3順位が兄弟姉妹、と移っていく。

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