家計

ネット通販「知らぬ間に定期購入になっていた!」トラブルに要注意 法改正後も巧妙に契約誘導するサイトは多数存在

消費者ホットラインなどの相談窓口

消費者ホットラインなどの相談窓口

【解説】
「定期購入に関するトラブルがあまりに多いため、最終確認画面に総額表示をするよう2021年に法律が改正されましたが、いまなお、巧妙に定期コースに誘導するなど、消費者を不利益に導くサイトが世界中に広まっています。

 そこで私はまず、『購入の最終確認画面のスクリーンショットを撮りましたか?』と相談者に聞くようにしています。私たちが業者と話し合う際の材料となりますから。

 事例1でいうと、消費者に“初回のみの購入”と思わせるよう誘導しつつ、案内文をよく読むと、実は『初回のみ割引、以降は定価で定期』と書かれています。例2では『1000円クーポン』ボタンを目立つところに置き、そこをクリックすると勝手に定期コース画面に飛んでしまうように巧妙にデザインされています。

 かなり紛らわしいのですが、規約には記されているので、決して詐欺ではない。だから、相談員が業者に電話をかけても『きちんと規約に書いてあるでしょう』とつっぱねられてしまうことが少なくないのです。

 そこで私たちは、最終確認画面のスクリーンショットを証拠に、サイトのデザインの問題点を突きながら、業者側との妥協点を探っていくようにしています。

 今回は、2例とも『定期は解約、ただし、初回分を定価で購入する』ことで決着しましたが、これはラッキーな例で、連絡が取れない、交渉に応じないという業者も多い。

 ちなみに、商品の質の良しあしも判断が難しく、肌トラブルがあったとしても、多くの販売者は『使用をやめてください』としか言ってくれないのが現状です。

 相談者にはその事情を説明し、『インターネット通販は非常にリスクが高い。広告に惑わされるとこういう目に遭う可能性がありますよ』と忠告します」(丹羽さん)

【プロフィール】
丹羽典明(にわ・のりあき)/消費生活アドバイザー、消費生活相談員資格(国家資格)保有。NACS東日本支部副支部長。消費生活センターにて年間約400件超のトラブル相談に対応するエキスパート。

※女性セブン2024年3月14日号

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